代表メッセージ

私は15歳から23歳までの青年期をインドで過ごしました。1993年当時のインドは、現在のような急速な発展は見られず、日本の昭和中期を思わせるような車やジープが、砂埃を巻き上げながら荒れた道路を走っていたのをよく覚えています。

その後、インドは着実な成長を遂げ、マクドナルドなどのファーストフード店が日本に初めて進出した際には、長い列に並んで食べに行ったことが、今でも鮮明に記憶に残っています。

大学卒業後は就職活動のため帰国し、総合商社の化学部門にて約10年間勤務しました。当時、輸入される化学原料の多くは、地理的に近い台湾、中国、韓国からのもので、特に中国からの原料が大きな割合を占めていました。

営業職として業界理解が深まるにつれ、中国の環境規制強化などによる需給バランスの乱れ、価格の急激な変動、原料不足による市場混乱などを経験しました。こうした状況の中で、私の第二の故郷であるインドとの関係強化の必要性を強く感じ、化学業界の視点からインドとの交流を積極的に進めてまいりました。

そして2015年、TLS株式会社を設立。自らの理念に基づいたビジネスモデルを構築し、インドをはじめとするグローバルなネットワークを活かした事業展開を進めています。

インドには中国や台湾のような大規模な石油コンビナートがなく、川上の石油化学品において価格競争力に劣る面があります。また、日本の近隣諸国と比べて輸送コストも不利なため、当社では生産技術に優れ、比較的工程の長い化学原料に特化した製品を選定。有機顔料、無機化学品、溶剤関連などのメーカー製品を中心に輸入・販売を行っています。

さらに近年では、中東の産油国が川上化学製品の製造に参入し始めており、インドはその動きにいち早く着目。中東での化学工場設立や関係構築に力を入れています。当社も、インドの印僑ネットワークを活用し、中東からの原材料調達を拡大しています。

TLS株式会社は、グローバルな視点と確かな品質管理を軸に、信頼されるパートナーとして皆様の事業を支えてまいります。ご興味・ご共感いただける方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

代表取締役
渡邉 章